
比較的軽い歯周病であれば、歯や歯の周りを清潔に保つ治療を続けることで治すことができます。しかし、炎症が歯肉の奥まで進行し、歯周組織の破壊がひどい場合には、歯周組織を回復させるための手術(歯周外科手術)が必要となります。
◆GTR法とは
このメンブレンはGTR法に使用することを目的に設計された医療用具です。各種安全性試験、臨床治療等で安全性や治療効果が認められており、厚生省の認可を得ています。(承認番号 20400BZY00331000) 安全性: ゴアテックスGTRメンブレンは最も生体適合性が高く、安全な素材の1つでできています。ゴアテックスは、他にも人工血管、人工硬膜、人工心膜、人工腹膜など多くの医療用具として、長年にわたって安全に使用され、その使用数は400万例を越えています。 治療効果: ゴアテックスGTRメンブレンを使用したGTR法は、歯周病によって破壊された組織を再生します。このことは世界中の多くの研究発表によって示されており、治療上の大きな進歩として広く歯科専門家に認められています。しかし、どのような病気でもそうですが、あまりにも重度に進行した歯周病では、このGTR法での治療が困難な場合があります。
ゴア吸収性メンブレンの生体吸収メカニズム: ゴア吸収性メンブレンは、生体内で加水分解し、まずは乳酸およびグリコール酸になります。この乳酸およびグリコール酸は、体内に自然に存在する物質で、クレブス回路として知られているメカニズムによって炭酸ガスと水に分解され、吸収されます。 ゴア吸収性メンブレンの生呼吸収の期間: ゴア吸収性メンブレンは、適応症である歯周病の治療としてのGTR法に最もふさわしい吸収速度を考慮して設計されています。 従って、in vivoにおいて、初期の4週間は、メンブレンの物理的構造を維持しバリヤーとして機能します。 臨床的には、6週間以降は完璧な遮断効果を期待することは出来ません。 組織学的には、8ヶ月後にはメンブレンの存在は認められません。このことはin vitroおよびin vivoで確認されています。 従って、この吸収過程を明確に理解し治療計画およびその他の術後の管理を考慮することが重要です。
細胞遮断性: ゴア吸収性メンブレンは、欠損部を確実に隔離するために、約6週間にわたってその構造を保持し、不必要な細胞を遮断します。これにより、必要とする歯根膜や骨の再生が起こります。 ゴア吸収性メンブレンは3層構造をしており、中心層の細胞遮断フィルム部とその両面にある繊維マトリックス部で構成されています。従ってメンプレンに表裏はありません。細胞遮断フィルム部が、初期の治癒段階で欠損部を不要な細胞から隔離します。
組織のインテグレーション: ゴア吸収性メンプレンの表面層である繊維マトリックス部は、歯肉結合組織が速やかにメンブレンと一体化するように設計され ています。この一体化によって創傷部とメンブレンの安定化を計ることができます。歯肉結合組織がメンブレン表面層の繊維マトリックス部に浸潤することに よって、治癒の初期段階で上皮が根尖方向へ急速に侵入することを、Con-tact Inhibitionとして知られている現象によって抑制します。急速な上皮の侵入を抑制できなければ、2次ポケットの形成や感染の危険性が高くなり、必 要とする組織再生を妨げる可能性があります。
GTR法の手術費用は、1部位につき40,000円〜となっております。 ![]() |